ライブマンにはライブロボがいる。
ガオレンジャーにはガオキングとガオマッスルとその他色々がいる。
カノンジャーにはカノンジャーロボがいる。
が、一度も出動したことはない。
何故なら、敵が巨大化しないから。
奇跡でも起きないと、だお〜やらあう〜が巨大化すると言う楽しいビジュアルは期待できないだろう。
奇跡でも起きないと・…。
スーパーサブ戦隊カノンジャー!!〜敢闘編
「うぐぅ、そんなこと期待しないでよ〜」
「あ、出るの唐突過ぎ」
突然、崖の上に人が現れた。
「前回からいたよ〜」
まぁ、前回はあれだったからな・・・。
気がつかなくてもしょうがあるまい。
「覇あぁぁぁぁぁあ!!」
「破あぁぁぁぁぁあ!!」
やばい、件の二人を得体の知れない闘気が覆ってる。
多分、今触れたら蒸発する。
「・・・出たな、何とかとか言ってくれないの?」
く、パターン化してたか、このセリフ。
「出たな、怪人うぐぅ!!」
それでも言う俺。 今回は、いつもにも増して安易なネーミングだな。
説明する?ああ、するの?
怪人うぐぅは、四天王とは違う位置に属する特別階級である。
ゴーストだが、実体はあるというナイスな存在。
ある意味自立型スタンドである。
主な悪事としては、タイヤキを店からパクり、店のおじさんの生活を壊しながら、さらにそれを転売することである。
食べると共犯者になるので注意。
そして、善良なおじさんから逃げ切るための脚力と、そのスピードを乗せた体当たりが武器。
目標を補足した場合、ゴッドバードチェーンジ、標準セ〜ット!!並の突撃をみせ、体当たり。
勢いが足りない場合は、相手の背中に寄生し、3分後にメガンテをする。
バックパックにウイングがついているが、どこぞのモビルスーツのように空を飛べるでもなく、体を覆って大気圏突入ができるわけでもない。
滑空が出来るニワトリにも劣る代物。 萌えポイント以外の役割も無い。
ちなみに精神コマンドに奇跡があるが、使うと天に召される。
「うぐぅ・・・」
つっこみたい所が多すぎて、どうにもならないようだな。
説明の人も辛口だ。
「強敵だな!」
「そうでしょうか?」
「四天王と違う位置って、どういう事でしょう?」
「格好を見れば一目瞭然!」
俺の言葉を聞いた美坂が、一瞬こちらに殺気を向けたが、崖の上の姿を見て納得した表情を浮かべ、またATフィールドの中和に戻った。
「なるほど、視覚的差別ですね」
うぐぅが着ていたのは、いつもみんなが着ていたARE(アレ)ではない。
一言でいうなら、茶色魚だ!
うぐぅの体をすっぽりと覆うように、と、いうより飲み込むように茶色い魚の着ぐるみが覆っている。
そして、魚の間抜けに開いた口の中から、うぐぅの顔が覗いている。 後は手足が生えているぐらい。
「タイヤキの着ぐるみ・・・」
「祐一君がくれた超合金タイヤキスーツだよ」
どう見ても、金属じゃないぞ、それ。
「・・・つまり、一番下っ端ってことですか?」
「その通りだ!」
いや、他の理由としてアイザワーが彼女にAREを着せることを可哀想に思ったというのもあるだろう。
理由は、前回散々説明したから・・・・良いよね。
「違うよー! 一番上ってことだもん!」
「一番上はアイザワーじゃないのか?」
「うぐぅ、女の子の中でだよー。 本編でもボクがメインヒロインだもん!」
と、結構いいかげんだった場の空気が変わった。
静寂が場を支配し、月も出ていないのにサテライトキャノンで射ち合う美坂姉妹もが止まる。
「あはは〜、思いあがりは身を滅ぼしますよ〜」
「はちみつくまさん」
しょっぱなきついことを言うのは佐祐理さん。
続いて、今回はYESウーマンな舞将軍。
「調子乗ってるかしら?」
「私と祐一さんのドラマティックラブの手伝いだけしとけば良いんですよ・・・」
で、戦っててアクティブになってる美坂姉妹。
妹の方、命の恩人に対してひどすぎるぞ。
「私達のシナリオとは関係ありませんしね」
「あう〜」
今、達と言ったか? 天野後輩。
そして、あう〜はマスコットキャラ扱い。
「あらあら・・・」
秋子さんが皮手袋をはめて、端を引っ張ってキュッキュやってる。
暗殺準備!?
「てか、ヒロインさん達は分かるとして、なんでうちのメンバーが怒るんだ? どうせ脇・・・・・・・・・・ぃぃぃ」
ずごごごごおおおぉぉ〜〜〜!!!!
悲鳴を上げることすら叶わなかった。
俺の体は、その時には既に原子レヴェルまで解体されていたのだから・・・。
ちなみに、フォントカラーが黒なのは、『色を全部混ぜると、黒くなってしまう』という法則からである。
「北川君だって・・・、主役になってうれしかったでしょう?」
死者への手向けのように、美坂がポツリとつぶやいた。
なるほど、そういう気持ちか。
今は、そのつらさも身に染みてるけどね。
「うぐぅ・・・・・」
しかし、このオーラはやばい。
このままだとうぐぅがギャグにならないやられかたをしそうだ・・・。
カノンジャーの目的としては良いのだろうが、サイトに掲載不可になってしまう!
それでなくても、その視線だけでうぐぅのトラウマになるには十分だろう。
こんな時、あいつが、あいつがいてくれれば!!
俺は、心の底から願った、あいつの登場を願った。
そう、カノンジャー6人目の戦士の登場を!!
「助けに来たぞ!!」
そんな時、なんと、反対側の崖から人が登場し、広場に降り立ったのだ!
計ったようなタイミング、手にストップウォッチ!
銀色に輝く制服が特徴的!
「またせたな!!」
その顔は、バイザーに隠れて見えない。
が、謎の戦士である彼こそ、俺達のピンチを幾度と無く救ってきた風来坊の6人目!
「ガオシルバー!」
「番組を間違えるな!」
ツッコミ、素晴らしい!!
「・・・て、いうかもう復活してるわ」
「倒されるたびにしぶとくなるのかもしれません」
「カノンシルバー!!」
ち、自分で名乗りやがった。
「あれ、誰なの?」
美坂が、ポツリとつぶやいた。
設定上は何回かでてるんだから、そう言う質問は良くないぞ。
「何を言っている、あれは俺達の同志相沢祐一じゃないか」
「ゆ、祐一さん!?」
「はっはっは、はちみつくまさんだ」
肯定の返事。 いきなりひとのネタをパクってチョップを食らってる辺り本物だよな。
「意外なセレクションですね・・・」
「久瀬さんだとばっかり思ってました〜」
そう言って、発射寸前のデスを止めた佐祐理さん。
久瀬じゃなくて、本当に良かった。
「な、なんで相沢君がここにいるのよ!?」
「え、ほら、だって6人目だし」
「アイザワー役は!?」
「何を言ってるんだ? アイザワーと相沢になんの関係があるんだよ?」
「そうだよな、北川!」
「おう、相沢!」
俺達二人は固く手を握り合った。
まったく、あらぬ疑いだ。
相沢は俺達の愉快な仲間だと言うのに・・・。
「お二人には、何ら疑問が無いようですね」
「なんか、どうでも良くなってきたわ」
と、ハグに突入しようとしていた相沢の動きが止まった。
「・・・来る!」
キュピーンと、相沢が頭にニュータイプ並の閃き効果が出た。 同時に崖の上から声が響く。
「ゆ〜〜〜〜いちく〜〜〜〜ん!!!!」
ほぼ話題をもっていかれたうぐぅが、こちらに向かって飛んできたのだ!
背中にはロケットエンジン! 空を泳げたいやきくん!!
あ、アイザワーめ!!今まで手抜き改造だったくせに!
「危ない、触覚!!」
相沢が、俺を突き飛ばした。 そうか、俺を巻き添えにしないために! さりげなく言った失礼発言も気にならないぞ。
そして、うぐぅが、たいやきくんが俺の目の前に迫り来て・・・・・・え!?
「ぬああぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!(ドップラー効果)」
うぐぅは、俺を巻き込んで、滑走していった。 そして、反対側の壁にぶつかり、爆発する。
こんな時に、冷静に解説できる自分が悲しい。
「・・・ありがとう、北川。 おまえのことは忘れない」
俺も、おまえのことは絶対忘れないぞ。
「うぐぅ、避けるなんてひどいよぉ〜!」
むっくりと起き上がり抗議の声をあげるうぐぅ。
あんたも結構丈夫だな。
「さて、悪は滅んだが、リーダーも尊い犠牲になった」
両方お前の仕業で、両方とも滅んでない。
「これからは、俺がリーダーだ、ついてきてくれるか?」
ふ、誰が立ちCGも無いお前なんかについていくというんだ・・・。
「は〜い」
避けられたうぐぅまで返事をした・・・。
ふっふっふ、分かってた。 ベタすぎるオチだけど・・・・分かってたさ。
でも続く!!
「嘘!?」