混迷⇔エリスポットWMP
出演… | 水都栄一(ミズトエイイチ) | 高校2年生。 純正オタク。 エネルギーは無駄にあるが、全てにおいて熱しやすく冷めやすい。 |
加藤清(カトウキヨシ) | 高校2年生。 むっつりオタク。 家族の前ではアニメを見ないタイプ。 | |
森屋京子(モリヤピピニーデンキョウコ |
高校1年生。 腐女子。 基本的に確信犯。 |
第20公演
水都 |
両側から耳かきをしてもらいたいんだ! |
加藤 |
なんだそれ。 |
水都 |
だから、二人の女の子が俺の両側から俺の耳垢という耳垢をこそぎ落としてくれると言うプレイが俺の中で大ブレーク中なんだよ! |
加藤 |
いや、やって貰ってもいないのにブレークってなんだよ。 |
水都 |
しかもアレだね!それをやるのはもちろん双子!むしろ双子!双子じゃなくちゃ!双子以外は認めねえ!双子以外の人類は絶滅してしまえ!! |
加藤 |
飛躍しすぎだよ!その理論だとお前も死ぬじゃん! |
水都 |
ん、あ、いや、冷静に考えたら巨乳なお姉さんに片腕ずつをおっぱいに挟まれて耳かきでも良い気がする。よし、巨乳のお姉さんは生き残って良し。 |
加藤 |
なんだよ、双子の話じゃないのかよ! |
水都 |
そうか、お前はでかい乳の話をされると体に蕁麻疹が出るような一級貧乳ソムリエだったな! |
加藤 |
人を勝手に変な病気にするな! |
水都 |
まぁいいや、ぶっちゃげもうお題も決まってるし双子の話しよか。 |
加藤 |
お題ってなんだ…。 |
水都 |
双子!それは人類のプチ奇跡!全国のお父さんお母さんが、貧しい生活の中でそれでもとりあえず長男だけ欲しいなんて考えてこさえてみたら、二人も生まれちゃって大ショック!なプチ奇跡!! |
加藤 |
嫌な例え使うなよ!それでも幸せな家庭とかあるだろ! |
水都 |
あぁ、そうだとも!双子がその家に存在すれば、そのあまりの可愛らしさに、借金が膨らみすぎて首が回らなくなりもうすぐ一家心中の家庭でさえも、一気に明るくなる! |
加藤 |
さっきよりも酷くなってるじゃねぇか! |
水都 |
大丈夫、双子を売れば通常の二倍の収益だ。これで懐も暖かくなるね。 |
加藤 |
って、何してんだよ!売っちゃダメだろ!! |
水都 |
うむ、人身売買は犯罪だ!全国のお父さんお母さん、くれぐれも真似しないようにね! |
加藤 |
そんなのみんな分かってるよ!っていうかどこに向かって呼びかけてるんだ! |
水都 |
よし、まぁ売らなかったとしよう。とすると、生まれた二人の双子はすくすくと成長してゆくことだろう。 |
加藤 |
その売るのが基本みたいな言い方止めろよ…。 |
水都 |
そしてここが分岐点なのだが。 |
加藤 |
分岐点? |
水都 |
ある日双子の片割れAが石に躓き、Bがそれを治療したとする!するとAは少し慎重になり、Bは少し優しい子になる! |
加藤 |
あー、個性が出るってことか。 |
水都 |
二人が喧嘩になり、Aは怪我をしていたため負ける。Bは勝つ。 |
加藤 |
治療した日にすぐ喧嘩って言うのも凄いけどね…。 |
水都 |
この出来事がきっかけで、Aは強くなろうと必死で修行をし、Bはそのまま覇道を突き進む。この二人が再び相対したのは、ちょうど二十年後、戦場でのことだった。 |
加藤 |
いや、少しの出来事で人生変わりすぎだよ!! |
水都 |
まぁ、このように人格形成されていくわけだが、この場合重要なのはその差だ。 |
加藤 |
差? |
水都 | そう、例えばダメな姉としっかりした妹!はたまた勉強は得意だけど運動は苦手な姉と運動は出来るが勉強は苦手な妹!! |
加藤 |
あぁ、よくあるね。 |
水都 | もしくはその差がまったくなく、行動言動共によく被る双子!この場合は姉と妹などと区別せずに、お互いを「○○ちゃん」などと呼ばせあうとGOOD! |
加藤 | なんの拘りなんだよ…。 |
水都 | シンクロ系双子萌え!イッツバーニング!冒頭で言った耳掻きだってナイスコンビネーションを発揮してくれるし、二人で言った一つの言葉が三倍強の効力で胸に響き、更にステレオ効果で癒しもバッチリ!! |
加藤 | じゃぁ、その組み合わせが一番良いの? |
水都 | 馬鹿が!この浅はか人間が!そんなんだから女子の机の上にトラック描いて気持ち悪がられるんだよ! |
加藤 | 俺にそんな思い出はない! |
水都 | シンクロ系双子には強大な難点があるのだ!お前にはそれが分かっていない! |
加藤 | 強大な難点ってなんだよ。 |
水都 | それは……彼女達はど〜〜〜しても主格ヒロインにはなりづらいのだ!! |
加藤 | どういうこと? |
水都 |
例えば彼女達が恋した男の元に、はねっ返りの幼馴染でもいたとしよう!このパターンでは、彼女達はまず間違いなく幼馴染に負ける!過去、勝った例がない! |
加藤 |
って、なんでそうなるの? |
水都 |
彼女達は二人では主人公への訴えかけとして二倍の効力を発揮するものの、二人であるがゆえに主人公からの愛情も、きっちり二分割されてしまうのだ!よって、シンクロ系双子が勝つには幼馴染の二倍愛されなければならない!! |
加藤 |
そういうもんかなぁ…。 |
水都 |
後、倫理的にとても面倒。二人とも好きだから両方と結婚すゆー、とか男なら誰でも言いたい所だが、世間様は許してくれない!いや、案外許してくれるかもしれないけどそういうのってどうやねんと書き手のほうが臆してしまうのだ!! |
加藤 |
なんか明らかにそっちが本音だろ! |
水都 |
ならば一人を選べばいいとか思うかもしれないが、そこは顔も性格も一緒!決める方法はアミダぐらいしかないだろう!ジャンケンなんてやった日にゃ十年経っても決着はつかん!!アミダで結婚相手を決めるシナリオなんて、あったら逆に伝説になる!! |
加藤 |
そりゃそうだ…。 |
水都 |
と、まぁ、そんな面倒な葛藤をするぐらいなら、難しいこと考えんでもヘラヘラと寄ってくる幼馴染ででも手を打っておこうとか思っちゃう訳よ。男ってのは酷い生き物だね。 |
加藤 | 酷いのはお前の思考だよ! |
水都 |
じゃーお前選べよー!顔も可愛くて性格も良くてしかもまったく差異の無い双子が、お前の目の前に並んで好きですとか言うんだぜー!お前どっちか選べんのかよー!もしくは両方と付き合いましょうとか言えるのかよー! |
加藤 |
それは…無理だけど。 |
水都 | しかもお前には、幼馴染もいるし空から降ってきた女の子いるし義理の妹もいるし、おまけに妻や子供だっているんだぞ!そんなのその双子なんかにかまってられないだろ!! |
加藤 |
それは当たり前だ!っていうか妻子がいる時点でそっち選ぶだろ!! |
水都 | いいや、俺は妻子がいてもそこにいる全員とラブコメする覚悟があるね!! |
加藤 | そんな覚悟するな!! |
水都 | そこいくと、性格、能力などに差がある双子は扱いやすい。 |
加藤 |
扱いって…。 |
水都 |
先ほどの葛藤でも、性格に差があれば選びやすいからな。それにどうしても二人とも手に入れたいという人間にも、こちらのほうが難易度が低い。 |
加藤 |
どうして? |
水都 |
シンクロ系双子だと、「両方同じなんだから片っぽ捨てるのイヤ」というネガティブな気持ちになるが、差がある双子なら、「違いがあっても俺は両方好きなんだ!!」と倫理的には間違っているにもかかわらず何故か男らしい気持ちを抱けるからだ!! |
加藤 |
いや、その思考もどうなんだよ。 |
水都 |
まぁ、それでも二人の意思というものがある。彼女達がどちらか一人を選んでと言った場合には、選ばなければなるまい。もしくは意思なんてくだらないものを排除するために洗脳せねばなるまい。 |
加藤 |
するな!何考えてんだよ! |
水都 | さて、今回は先ほど言ったダメな双子Aとしっかりした双子Bを候補にしよう。姉妹で区別をつけるとそれはそれで判定に差が出るからな。そういう場合一般的にはどちらが選ばれると思う? |
加藤 | …そもそも一般人はそんな二択浮かべないだろ。っていうか条件が曖昧すぎて分からないよ。 |
水都 | 甘いな、この組み合わせなら、大体の人間がダメな方の双子Aを選ぶのだ!! |
加藤 | なんで? |
水都 | 顔が一緒なんだぞ!ダメなほう選んでおいた方が俺が優位に立てるじゃないか!!しかもそんなダメ女をわざわざ選ぶ俺が、人間的にも美徳とされて株も上がる!! |
加藤 | って、何だそのゲスな理由は!ダメな子でも性格的に好きとかじゃないのかよ!! |
水都 | 俺のことを愛してくれるなら、君の性格なんて気にしないさ…。 |
加藤 | この場合は気にしろよ! なんでそこだけ善人っぽいんだよ!! |
水都 | 人は心に天使と悪魔を飼っているのさ…。そう、その姿はまるで双子!!つまり俺の中には既に双子存在していたのだ!!やったー!麗しの双子ちゃん、君達はいつでも僕の中にいたんだね!! |
加藤 | 全然上手いこと言えてない上に、勝手に妄想の世界へ行くな!! |
水都 | うむ、まぁつまり男の中の保護欲というのは非常に強いもので、双子においてもそれによって優劣が決まってしまうのだよという話だ。 |
加藤 | さっきのアレって保護欲か?あきらかにもっと汚い感じの欲だと思ったけど…。 |
水都 | ならば本来勝ち組であるはずのできる子であるBはどうすればいいのか! |
加藤 | いや、その論理前提で話を進めるなよ…。 |
水都 | そう、Aよりもっとダメになればいいのだ!! |
加藤 | よくねえよ!何だその解決策!! |
水都 | そうなれば、Aも焦ってもっとダメになろうとするだろう…。こうしてお互いがお互いよりダメになろうとするダメスパイラルが始まるのだ! |
加藤 | 始まらねぇよ!その双子もなんかおかしいことに気付け!! |
水都 | 恋する少女は盲目なのさ…。 |
加藤 | そんなフォローいらねぇ!! |
水都 | Aが三日風呂に入らなければBは五日風呂に入るのをやめ!Bが一週間引き篭もればAは引き篭もりながらネットで煽りに興ずる! |
加藤 | うわ、ダメって言うかそれは…。 |
水都 | さぁ、早くどちらかに決めてやらないと彼女らはドンドン腐っていくぞ!肉体的にも生活的にも! |
加藤 | そんなのどっちも選びたくないよ! |
水都 | …本当にか? |
加藤 | え? |
水都 | 少なくともお前のことは好きなんだぞ!しかも元々の顔は可愛いんだぞ!ここまで落ちてるのだって、お前に好かれたい一心なんだぞ!本当にお前は彼女らを捨てられるのか!! |
加藤 | え、あ、いや、選びたくないって言ったのは言い過ぎたけど…。 |
水都 | まったく、お前に愛してもらおうと今でも彼女達は部屋の中にゴミをため続けているというのに…。 |
加藤 | って、それは止めろよ! もっと前向きな事で競えって!! |
水都 | よし、じゃぁこれから、健全に殺し合いをしてもらいます!! |
加藤 | 何処が健全なんだよ! |
水都 | でも生き残ったほうが優秀な証拠だから、ダメっ娘しか愛せないお前はその娘は捨てる。 |
加藤 |
って、どうやってもバットエンドじゃん! |
水都 | ていうかかたっぽが居なくなった時点でそれ双子じゃない。よってそんな女なんてどうでも良い。 |
加藤 |
毎度毎度最悪だな、お前は!だったら最初から選ばせようとなんてするなよ!! |
水都 |
そうだな、お前のように何も考えず、女はみんな俺のもんじゃガッハッハと口癖のようにいえる人間には関係のない悩みだったな。 |
加藤 |
誰もそんなこと言ってないだろ! |
森屋 | ということは、私もいつの間にか先輩の肉奴隷に…。 |
加藤 | なってないよ!ていうか登場唐突過ぎるよ! |
水都 | こいつの為にネタ振りする労力も勿体無いしな。 |
森屋 | あ、酷。 |
加藤 | ていうか森屋さん一人だし、今日のテーマは表現不可能なんじゃ…。 |
森屋 | 大丈夫です。その点はぬかりありません!!(森屋、持ってきた紙袋を漁り始める) |
加藤 | あ…なんかやりたいことわかった。 |
森屋 | コンニチワー、私森屋=ヘンリーク=京子デスヨー(袋から出したカエル型人形を動かしながら) |
加藤 | いや、せめて持ってくる人形を自分に似せるとか無いの!? あと双子なのになんでミドルネームだけが違うの!? |
森屋 | いやぁ、家の中を漁ってみたらこれしかなくて…。 |
水都 | 何を言う加藤。このカエルは森屋にそっくりじゃないか。 さすが双子だな。 |
加藤 | って、何納得してんだよ! |
森屋 | 納得されると逆にショックですね…。 |
水都 | 双子といっても、やっぱり違いはあるんだろ。どう違うのかお兄さん知りたいなぁ。 |
加藤 | お前何かキャラ変わってるぞ…。 |
水都 | 俺脳内の双子の水都ジョニー栄一が目覚めた。 |
加藤 | それただの二重人格だよ! ていうかなんだその名前は、普通に栄二で良いじゃん! |
森屋 | ええと、ダメなほうがもてるんですよね。 |
水都 | うむ、その通りだ。お前もさっきのやり取りで納得したようだな。 |
加藤 | なんでアレ聞いてそう思うの!? |
森屋 | このヘンリークちゃんは成績も優秀で運動神経も抜群で、その上落ちているゴミ、犬、子供等を見ると拾わずにはいられないとても素敵な子です。 |
加藤 | その三つを同列に扱うのはどうかと思うんだけど…。 |
森屋 | それに比べて私は成績とか言う前に、そもそも学校なんて行ってませんし、運動神経とか言う前に部屋から出てませんし、ゴミはよく見るけど犬とか子供とかそもそも出会いませんし。 |
加藤 | いや、だったら僕らと会話してるのおかしいでしょ! |
水都 | しかし、先ほどから出てくるダメ人間像がこのパターンしかないのは、深い事情がありそうだな。 |
加藤 | そういうことは考えるな。 |
森屋 | つまりダメなのはこの私のほうです!しかもこんなカエルっぽい双子を褒める謙虚さも持ってますし! |
加藤 | そういうのは自分で言ったら謙虚じゃないんじゃ…。 |
森屋 | ダメ人間でいて、なおかつ心も清らか! 見てるだけで性欲が…。 |
水都 | 萎えるな。 |
森屋 | 何故!? |
加藤 | いや、そもそも女の子が性欲とか…。 |
水都 | 双子は競ってこその双子だろう!あからさまに片方を不利にして同情票を集めるその姿勢! 反吐が出るわ!! |
加藤 | お前が先に言い出したんだろ! |
水都 | 作り手による安易な萌えキャラへの誘導!そんなものに俺たちは騙されない!むしろそんなあくどさを察してカエルちゃんのほうに人気が集まるね!お前のグッズなんて余りまくりだ、ざまーみろ! |
森屋 | な、なんですと! それは困ります!スポンサーにも見放されてワゴンセール行きなんて嫌ですよ! |
加藤 | ていうか、なんでスポンサーがついてるの…。 |
森屋 | 可愛い格好をしてサービスすると5千円から3万円くれるおじさんが…。 |
加藤 | それはスポンサーじゃない!! |
森屋 | 冗談ですよ、私は清純派ですから。 |
加藤 | そ、そう…。 |
水都 | そうそう、やってるのはこいつの双子のカエルちゃんだ。 |
加藤 | そんなのに金出す奴いないよ! |
森屋 | 相方が汚れだと私までイメージダウンするからやめてくださいよ! |
水都 | そうだな、俺も相方が汚れ芸人で苦労している・・・。 |
加藤 | 相方って俺かよ! 勝手に汚れにするな! |
森屋 | 分かりました! もうわたし、こんな汚れガエルとなんてコンビ組んでいられません! |
水都 | お前そっくりなのに。 |
森屋 | 水都先輩と双恋コンビを組みます! |
加藤 | こいつ男だよ!? 性格はともかく外見似てないし!! |
森屋 | 男女の双子だっています! そういう場合は二卵性ですから似てなくても問題はありませんし! |
加藤 | いや、だって告白したりするんでしょ!? 明らかに水都選ぶ奴いないじゃん!! |
森屋 | 狙いはそこです! 明らかに不利な水都先輩!ついでに不幸な家庭環境なんかもつけたりして、めちゃめちゃ不利にしてしまいます。 |
加藤 | 家庭環境って、一応双子なんだから一緒の家じゃ…。 |
森屋 | 書き手も思うでしょう!これで先輩に同情票が集まる! 確かに最初のうちはそうなるでしょう…。 |
加藤 | …なるかなぁ。 |
森屋 | しかし、そこで先ほどの法則発動ですよ!!やがて世のユーザー達は、そのうちあまりに露骨な書き手の誘導に気付くわけです!そうなればしめた物!冷静になってよくよく考えれば結局こいつ男じゃんと気付いた彼らは、水都先輩を捨て私のほうへ流れてくる!! 結局人気は逆転して、成績優秀心も優しく容姿も端麗でしかも女の子な私の一人勝ちになるのですよ!! |
加藤 | 森屋さん、落ち着いて…。 |
水都 | 甘いわ! |
森屋 | なんですと! |
水都 | 今時性別が男な事など少々の不利にしかならん! 今時のエロゲーを見ろ! 男の一人や二人、攻略対象に入っていることも珍しくはなかろう!! |
加藤 | いや、珍しいって! 少ない事象を勝手に一般化するな!! |
森屋 | た、たしかに、私がやっているゲームでは攻略対象が全員男なことも珍しく…。 |
加藤 | それはやってるゲームの種類が違うんだよ! |
水都 | そう、つまり俺の性別など大勢に影響はない! むしろ少々のマイナス要素があるダメっ娘な俺に、客も安心して寄って来るというものだ!! |
加藤 | 娘じゃないし。 |
森屋 | ぬかったわーー!! |
加藤 | いや、そもそも根本から間違ってるんだと思うんだけど…。 |
森屋 | ぬぅぅ、しかし、だったら今度は私は部屋にちょっとゴミを溜めて、マイナスイメージアップに励みます!これで私の方がちょっとダメっ娘! 逆転です!! |
加藤 | って、話戻ってるじゃん! つーかマイナスイメージアップって、言ってておかしい事に気付けよ! |
水都 | ふっふっふ、甘いな! ならば俺はそのゴミを綺麗にしてイメージアップ!大差でお前を引き離すことによってむしろ俺のほうが人気に!! |
森屋 | くぅ、ならばゴミを水都先輩の部屋にばら撒いてイメージダウン!これによって差が大してなくなり、やはり私の方が人気に!!! |
水都 | 卑怯な! 腐れ外道め! |
森屋 | それはこっちのセリフです!! |
加藤 | あのー、二人ともその辺で…。 |
水都 | もういい、人気なんて関係ない! 俺とお前がそっくりなのを良いことに、お前の名前で詐欺恐喝ストリーキング等々の犯罪をしてきてやる!! |
森屋 | それなら私は水都先輩の名を借りて、冒頭からコントに出まくってやりますよ!先輩なんてコントの途中でポッと出て、適当にボケた後、オチの手前のタイミングで泣きながら帰っちゃう役ですよ! |
加藤 | 森屋さん、なんか自分のセリフで自分傷つけてない? |
森屋 | うわあああああああん!!(泣きながら退場) |
加藤 | あ、本当に帰った。 |
水都 | うわあああああああん!!(泣きながら退場) |
加藤 | なんでお前もなんだよ! そんなところ似せなくていいだろ! |
舞台暗転。 | |
水都na | この二人が再び相対したのは、ちょうど二十年後、戦場でのことだった。 |
加藤 | それはもういいっての! |
幕が落ちる。 |