出演… | 水都栄一(ミズトエイイチ) | 高校2年生。 純正オタク。 エネルギーは無駄にあるが、全てにおいて熱しやすく冷めやすい。 |
加藤清(カトウキヨシ) | 高校2年生。 むっつりオタク。 家族の前ではアニメを見ないタイプ。 |
幕が上がる。 | |
教室の風景。 | |
二人の生徒が掃除をしている。 | |
水都 |
はぁ、悲しいなぁ。 |
加藤 |
何が? |
水都 |
ブルマーって廃止されたじゃん。 |
加藤 |
結構前にね。 |
水都 |
こんな素敵な物を無くすなんて、国は何を考えているんだ。(懐からブルマーを取り出す) |
加藤 |
そんなのも常備して、お前こそ何考えてるんだよ! |
水都 |
素晴らしい文化が、また一つ失われていく。 |
加藤 |
大げさだろ、そんなもの一つで。 |
水都 |
大げさなものか! JROに訴えられる程だぞ! |
加藤 |
やっぱり大げさなんじゃん! JROが動くんだろ!? |
水都 |
とにかく大変なことが起きるんだ! |
加藤 |
あ、強引に話そらしやがった。 |
水都 |
ブルマーを見ない世代が出てくるんだ! |
加藤 |
はぁ? |
水都 |
お前が不思議に思うのも、無理は無い。 ブルマーを永遠の萌えアイテムだと思う気持ちも、わかるからな。 |
加藤 |
いや、そうじゃなくてさ。 |
水都 |
しかし、そういう世代は、確実に出てくるんだ。 すでに世の中にはドラゴンボールを知らない世代がいるようにな。 |
加藤 |
それは、微妙にショックだけど…。 |
水都 |
ドラゴンボールを知らないでこち亀を知ってるってどういうことだ!? |
加藤 |
まだ連載してるからね、アレは…。 てか、それの何処が大変なんだよ。 |
水都 |
困るだろ、エロトークする時に。 「ブルマー萌え〜」とかいっても、「ハァ?」ですよ。 |
加藤 |
むしろ俺が「ハァ?」と言いたい。 |
水都 |
ブルマーの臭いを嗅いだ中で生まれる友情だって、あるかもしれないのに! |
加藤 |
無い! ってか、そんな友情いやだよ! |
水都 |
ハーフパンツでどう萌えろって言うんだよ! |
加藤 |
知るかよ! |
水都 |
だが、確かに二次元では受け継がれていくだろう。 数々の職人の手によって。 |
加藤 |
職人ねぇ…。 |
水都 |
が、それではブルマーを知らない世代に間違った知識を与えてしまう。 |
加藤 |
そんなのあるの? |
水都 |
あるさ、例えば…。 |
加藤 |
何だよ? |
水都 |
ブルマーを頭に被るときは、下にパンツを被るという礼儀とか。 |
加藤 |
頭に被る時点で間違ってるだろ! |
水都 |
男子生徒も着用してたと思ってげんなりしちゃったら、どうするんだ! |
加藤 |
しないよ、そんな勘違い…。 |
水都 |
いや、今となっては特殊な店にしか売ってないし、男子が穿いてる数のほうが多いんじゃないか? |
加藤 |
変なこと言うな、生々しいだろ! |
水都 |
心配だ、ブルマーの未来が…。(ブルマーをまじまじと見る) |
加藤 |
お前の未来は心配しなくていいのか? |
水都 |
今度、こっそり女子のハーフパンツをブルマーにすりかえておこうか? |
加藤 |
やめろ、犯罪だよ! |
水都 |
女子全員ブルマーと、一人だけブルマーでおろおろしてるのと、どっちが良い眺めだと思う? |
加藤 |
んなもん、どっちでもいいわ! |
水都 |
ハーフパンツは、ちゃんとブルマーにリサイクルするから安心しろ。 |
加藤 |
そういう問題でもない! |
水都 |
反政府運動っぽく、何万個ものハーフパンツを縫い合わせて巨大なブルマーを作ってみたりして。 |
加藤 |
何でだよ…。 |
水都 |
ハーフパンツ社会への嘲笑だな。 |
加藤 |
お前が嘲笑われるわ! |
水都 |
ノーモアハーフパンツ!! |
加藤 |
やかましい! |
舞台暗転。 | |
幕が降りる。 |