出演… | 水都栄一(ミズトエイイチ) | 高校2年生。 純正オタク。 エネルギーは無駄にあるが、全てにおいて熱しやすく冷めやすい。 |
加藤清(カトウキヨシ) | 高校2年生。 むっつりオタク。 家族の前ではアニメを見ないタイプ。 |
幕が上がる。 | |
教室の風景。 | |
二人の生徒が掃除をしている。 | |
水都 |
やっぱり、看護婦さんって良いよな。 |
加藤 |
病弱っ娘じゃなかったの? |
水都 |
医療機関あってこその病弱娘だろう。 よって、看護婦さんのほうが偉い。 |
加藤 |
微妙に呼び方変わってるし、大体なんで偉さを競ってるんだよ…。 |
水都 |
看護婦さんは偉いぞ。 僕らの健康のために必死で働いているからな。 |
加藤 |
確かにね。 休日もほとんど無いって言うし。 |
水都 |
週末は臓器の密輸をしなきゃいけないし。 |
加藤 |
なんで売人やってるんだよ! |
水都 |
不況だし、新人は肝臓ばっかり運ばされるんだけどな。 |
加藤 |
意味わかんねぇよ、黒いこと言うな! |
水都 |
通常業務もつらいしな。 |
加藤 |
患者さんの世話とかね。 |
水都 |
シモの世話な。 |
加藤 |
なんでシモ限定なんだよ! |
水都 |
看護婦さんの主な仕事だろ。 |
加藤 |
違うわ! |
水都 |
院長の愛人になったり、若先生の実験材料になったり。 |
加藤 |
しないよ! なんだその妄想! |
水都 |
後は、医療ミスも大切な仕事だな。 |
加藤 |
あれは仕事じゃねぇ! ミスって言ってるだろ! |
水都 |
医療ミスの一つもされなきゃ、入院した気にならないだろ。 |
加藤 |
そんな所で実感するなよ! |
水都 |
でも、最近は看護婦って言わないんだよな。 |
加藤 |
ああ、正式には看護士さんになったね。 |
水都 |
ダメだろ、そんな簡単に名前を変えちゃ。 |
加藤 |
別に、簡単に変えた訳じゃないだろ。 |
水都 |
ってか、萌えねぇし。 |
加藤 |
そっちが主な理由だろ! |
水都 |
むしろ、これは婦女子達の陰謀だと思うんだよな。 |
加藤 |
何で? |
水都 |
自分たちが看護士と言う名前に萌えるため。 |
加藤 |
そんなわけないだろ! |
水都 |
きっと今頃、看護士萌え〜とか言って、こぞって入院してるぞ。 |
加藤 |
しないよ! そんな理由で国が動くか! |
水都 |
保母さんが保育士に改名されたのも同じ理由だな。 今頃、こぞって入園…。 |
加藤 |
できねぇよ! |
水都 |
しかし、看護婦さん達自身は受け入れてるのかね、自分たちの呼び名。 |
加藤 |
う〜ん、最初はしっくり来ないかもしれないけど、すぐ慣れるんじゃない? |
水都 |
それでも、頑なに看護婦と言う名称にこだわる人がいると思うぞ。 |
加藤 |
そうかなぁ? |
水都 |
私は、例え最後の一人になっても、看護婦と言う名を守りつづける! とか。 |
加藤 |
何のこだわりなんだよ…。 |
水都 |
地球最後の看護婦、山本君の宣言でした。 |
加藤 |
男かよ! 元から看護婦じゃないだろ! |
水都 |
まぁ、ナースっていうほうが萌えるからいいや。 |
加藤 |
だったら、最初からいうな! |
舞台暗転。 | |
幕が降りる。 |